ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

気晴らし (13)

最近は機械学習の応用として、名前を知りたい植物にスーマトフォンを向けて写真を撮ると候補名を教えてくれるアプリが出てきている。もちろん植物の写真を後から読み込ませても認識してくれる。遊びでは面白いのでちょっと使ってみる。たとえば、下の写真は正しく「ムクノキ 」を第一候補に示した。さすがにこれが認識できないと使いものにならないだろう。ケヤキの葉と違って直線的な葉の縁のギザギザはちゃんと写っているし、葉の元部から葉脈が三つに分かれ、その別れた左右 (ほぼ対称) の二つの葉脈から外側の下縁に向かって、さらに葉脈が出ているのもなんとか確認できるからだ。

下の写真でもムクノキと判定したのは、よくできましたと思わず褒めたくなる。自分はたぶんムクノキだと思ったが断定はできなかったので、もっと近くの葉っぱを探したり、木肌を確認してから確信に至った。

ところが、下の写真だとアプリが示す第一候補はアメリカエノキで、第二候補はアメリカニレ、第三候補はアメリカトネリコである。人間——自分のことである——の感覚だとムクノキがまったく候補にすら上らないのは変だと思う。逆光になった葉が少し丸っぽく見えるものもあるのでエノキが出てくるのはしょうがないけれど、いかにも典型的な葉の形もあるのでムクノキは外さないなあ。この写真で提供される候補名にエノキとムクノキが含まれていれば、このアプリかなりいけると思ったかもしれない。もっとも、こんなえらそうなことを言っているのはいまの内だけで、あと少し時間が経てばあっという間に太刀打ちできなくなるのだろう。

もう一つ下の写真をやってみる。

アプリの示した結果はガッカリで、1. シナノキ、2. フユボタイジュ 3. ハンカチノキ であった。いくつか別の写真も試したが結果は似たり寄ったりであった。この写真からはすぐにわからないが、これは蔓植物で近くにはやはり蔓植物のミツバアケビ(昨日とは違う場所)もあった。えらそうに言っているが自分もこの植物の名前が分からないので調べた。調べる最初の方略としては葡萄系で葉が分裂していない植物である。野葡萄は葉が分裂するから明らかに違う。アマヅルとサンカクヅルを最終候補にしたが、鋸歯の形状からしてサンカクヅルを第一候補に選択した。もちろん間違っているかもしれない。

あとはいつもの写真。さすがに以下の三つの写真は人間とアプリで見解に齟齬はなかった。

オオデマリ。アプリはヤブデマリとしたが、オオデマリはヤブデマリの園芸種なので同じことである。アジサイと間違える人もいるようなことがネットに書かれているが、もしそうだとしたら全体のイメージ—— 本当はそれもかなり違うのだが——だけで速断する人よりはアプリの方が遥かに優秀である。アプリは第二、第三候補としてアジサイ科の栽培種をふたつ挙げているので、これは人間の判断に極めて近いと思う。

シロダモ。

オオアマナ。