ラテン系音楽の名曲として『アマポーラ』がある。スペインの国民的英雄で、若くしてこの世を去ったテノール歌手ミゲル・フレータが 1925 年、ということは、彼の栄光の絶頂期にこの曲を歌っていたことになる。
Jimmy Dorsey 楽団のものも素晴らしい。
驚くのは、雪村いづみが歌ったものである。1954 年だから、彼女は 17 歳ぐらいだったはずだが、堂々たる歌唱である。
マンボは戦後のものだが、ルンバは戦前の日本でもそうとう流行したらしい。すでに紹介した芸者歌手、美ち奴による『ルムバ萬歲』はそのことを示している。曲の軍国的メッセージを表現レベルでは嘲笑しているかのようである。