ダグラス・サーク監督の『風と共に散る』(Wrtten on the Wind, 1956) のような “soap drama” というジャンルの作品は、ストーリーとかテーマとかでしか見ようとしない (だが本当に見たといえるほど見たのか?) 批評によって、大袈裟、非現実的で、お涙頂戴であり、社会的問題よりも家庭問題を扱っているという趣旨でまるでゴミ箱行きのように語られた。また「赤狩り」の時代で、新ワイマール系のメンバーがブラックまたはグレイ・リストに加えられたことから、イデオロギー的な悪意すら背景にあったといまでは言われている。しかし作品を見ればわかるが、溜息がでるほど丁寧で繊細な演出が施されてこの監督の演出の特徴が充分表現されている一方で、語り口はまったく無駄がなく物語がどんどん進むような印象を与えることは、この作品のオープニング部分を見ただけですらわかる人にはわかるだろう。
ところで、ここでの話題はダグラス・サーク監督の素晴らしさについて語ることではなく、この作品の「安手のストーリー」に実生活のスキャンダルによって題材を提供しているトーチ・シンガーの Libby Holman の歌を実際に聴くことである。彼女も多くの曲をビリー・ホリデイと共有している一人なのである。
※ YouTube には、Axwell and Ingrosso の “More Than You Know” はあっても、Libby Holman の歌っているものは見つからないのでここでの選曲はじゅうぶんとはならない。
※ 1929 年の Libby Holman のものも、その後アップされた。
1928:
There Ain’t No Sweet Man:
1929:
Am I Blue ?:
Moanin’ Low:
Find Me a Primitive Man:
I May Be Wrong:
Can’t We Be Friends?:
I’m Doin’ What I’m Doin’ for Love:
1930:
Why Was I Born?:
Body and Soul:
Something to Remember You By:
When a Woman Loves a Man:
Cooking Breakfast for the Man I Love:
1931:
Love for Sale:
1934:
You and the Night and the Music:
1942:
Baby Baby:
When the Sun Goes Down:
House of the Risin’ Sun:
Fare Thee Well:
Good Mornig Blues: