ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

蛇紋岩

蛇紋岩を拾って暫し見つめていた.

地球のマントル上部を主に構成するといわれる美しい緑色をした橄欖(かんらん)岩は非常に不安定で, 地表になにかの拍子で上がってくる過程で水に触れると化学的に変質してしまい, 名称からしてなにやら禍々しい蛇紋岩と呼ばれるようになる. マントルの岩石 (主には橄欖岩) は, 大陸プレートの下, 地球内部へ沈み込んでゆく海洋プレートがもたらす水によって部分溶融してマグマになるという説明を最初聞いたときはなかなか理解できなかったが, それは地球内部にあっては水の方が不純物であるということがなかなか想像できなかったからで, その不純物としての水が岩石の固相から液相、液相から固相の平衡をずらして融点 (もっとも岩石は各種鉱物の集合体なので融点には幅があり, 明確には定まらない) の温度を下げるのだろう. 蛇紋岩は火成岩に分類されることもあるが, マグマが冷えて固まってできた岩石ではなく, すでに述べたように橄欖(かんらん)岩が水と様々に化学反応して変成したものである。この石は部分的に磁鉄鉱も生成しているらしく, そこは磁石がつく.