ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

散歩 (4)

またまた同じ方面を散歩した。大山ばかり撮っているので、丹沢山の方を撮った。

ツキガイモドキ (ルシノマ) 属の一種と思われる化石を前回に引き続き、合弁の状態で見つけた。

陸から海底に有機物が堆積すると、その堆積した有機物の分解の過程で酸素が速やかに不足し、酸素ではなく海水中に含まれる硫酸 (イオン) を酸化剤として呼吸する嫌気性細菌などにより、硫化水素と炭酸水素イオンが生成される。海底表層にいるツキガイモドキは体内に化学合成細菌 (硫黄酸化細菌やメタン酸化細菌) を共生させているらしい 。これらの細菌は酸素を酸化剤として硫化水素やメタンを酸化してエネルギーを得るのだが、ツキガイモドキはそのエネルギーを利用して、ほとんどの生物にとっては猛毒である硫化水素が存在する環境であっても平気で生きていけるそうで、このような場所に集団しやすい。一方、嫌気性細菌によって硫化水素とともに生成された炭酸水素イオンは海水中のカルシウムイオンと反応して炭酸カルシウムを沈澱させる (pH が高く、炭酸水素イオンが炭酸イオンと水素イオンに分解する方向へ平衡が移動する場合。また海水が炭酸カルシウム過飽和であることが必要)。この炭酸塩が化石を良好な状態で保護することになる。