年の文理共通問題. 正確な記憶は残っていないので間違えているかもしれないが, 問題を見ていてると, 清宮俊雄先生がある雑誌に書かれていたことを思い出した. いつ頃のことなのかは覚えていないが, 清宮先生が中学校の数学の教科書の校閲を依頼されて内容を確認されると, 「相似の位置」の説明のところに, 相似な三角形を対応するそれぞれの頂点を結ぶ 本の直線が一点で交るように置くと二つの図形は「相似の位置」にあるというような記述があって, それも清宮先生が指摘されるまで長年そのまま掲載されていた内容だそうで, 国定教科書にある記述だったらなんでもそのまま信用するのかと明らかに怒っておられるのが感じられた. この命題が偽である反例は, たとえば下の図がそうである. だから, いかにも当たり前の気がする下の問題は, この場合においては, いつも と が相似の位置にあるこということである. もちろんその証明は難しくはない.
※ なお, つの三角形の対応する辺がそれぞれ平行な場合には, つの三角形は合同または中心相似となって相似である. なお, この場合対応する辺の直線が一致する場合 ( つ以上の共有点をもつ場合) についても「平行」であるとしていることに注意する.//
【問】
【解】
なので, 正弦定理により, , , の外接円の半径はみな等しい. 半径が等しい円の弦の長さが同じであれば, 弧の長さも三角形の合同により等しくなる. したがって, その弧にたつ円周角も等しい.
このことから
三角形の内角の和は だから,
これから
ゆえに,
したがって, , , はいずれも正三角形である.
ゆえに, となり, と は ( を相似の中心とする) 相似の位置にある. よって対応する辺は平行である.
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