高校入試問題に戻って, 年度の国立高校入試問題の一部だけやってみた.
立方体の 辺の長さは cm である.
【解】当たり前といえば当たり前なのだが, 「直線と平面が平行である」についてもっとも基本的なことを確認しておく. 直線と平面が平行であることの定義は, 「ひとつの直線とひとつの平面が共有点を持たない」ということである. それで, ここから出てくるもっとも基本的なことは, 「 つの直線が平行ならば, その一つの直線を含みもう一つを含んでいない平面は, 含まれていない直線と平行である」ということである. 簡単だが証明しておく.
直線 , を平行な 直線とする. を含み, を含んでいない平面を とする. と は平行なので, これをともに含む平面 がただ一つ存在する. は平面 と との交線である. つまり平面 と平面 の共有点はすべて 上にある. と は平行なので は と共有点をもたない. したがって は平面 と共有点をもたない. つまり は平面 と平行である.
前置きが長くなったが, 問題の解に入る. 題意を満たすには, 直線 が平面 と平行であればよい. それには, 平面 に含まれている直線と平行であるようにすればよいのだが, 平行線は同一平面にある必要があるので, その同一面を を含んでいる立方体の面とするのが自然であろう. それで平面 と立方体の面との交線を定める.
わかっている交線上の点は, 下の図で , , である. と立方体の対面は平行なので, 平面 と立方体の対面の交線は, を通り に平行な である. と はともに立方体の面 上にあるから, この面と平面 の交線は, である. したがって, を通り に平行線 を引けば, は, 平面 に平行となる.
次に の長さを求める. から, に垂線を下ろしその足を とする. と は相似だから,
したがって,
は の対応する辺をそれぞれ平行な辺に写した (正の) 中心相似である. 相似比は なので,
は の対応する辺をそれぞれ平行な辺に写した (負の) 中心相似である. 相似比は なので,
したがって,
(cm)
となる.//