熊本大学の入試問題らしい.
【問】
図の直方体において, 辺
,
,
,
の中点をそれぞれ
,
,
,
とするとき, 次のことを証明せよ.
線分
,
は同一平面上にある.
上の平面と線分
との交点は
の中点である.
【証明】
1) 辺 ,
の中点をそれぞれ
,
とする. 平面
において, 四角形
は平行四辺形 (長方形) であるから,
と
は長さが等しく平行である. 同様にして,
と
は長さが等しく平行である.
いま, 上の点
を任意にとり,
と点
を含む平面
を考える.
と
(平面
と平面
の交線) が平行なので,
は平面
に平行である. したがって,
は平面
と平面
の交線 (これを直線
とする) と平行である. ところが
も
と平行である. 平面幾何における「平行線の公理」は, 「定直線外の定点をすぎてこれに平行な直線はただ一つある」というものであり,
から
に二本の異なる平行線が引けることはないので,
と直線
は同じである.
と平面
は平行であり, かつ
と
がともに含まれる平面が存在するから,
と
は平行である.
以上より, と
は長さが等しく平行であるから, 四角形
は平行四辺形である. よって,
と
は平行である.
平面 において中点連結定理により,
は
と平行, 同様にして,
は
に平行である. 平行線の公理から,
と
は平行であることがいえる (もし,
と
が交わるとすると, その交点から,
に異なる
本の平行線が引けることになって矛盾する).
以上から, は
に平行,
は
に平行であるから, 先程とまったく同じ議論により,
と
は平行であり, 線分
と
は同一平面上にある (線分
と
を含む平面がただ一つ存在する).
(2) 略解. 下図において, と
は合同であるから,
となり, このことから,
と
も合同であることがわかる. したがって,
である.