ここでは, もっと実用的な側面で考察する. ここで述べる方法を使用すると, 詳しくは数えあげていないが, 過半数の二桁×二桁のかけ算を簡略にできる (暗算向き).
まず, 基本知識として以下の つをあげる.
1) のように の位の数字が同じで, の位の数字の和が になる場合は簡単に計算できる.
2) のように の位の数字が同じで, の位の数字の和が になる場合も簡単に計算できる.
3) のようにひとつの数字の の位と の位の数字が同じで, もうひとつの数字の の位と の位の数字の和が になる場合も簡単に計算できる.
以上の つの計算法に習熟したとして, 次の場合の二桁×二桁の乗算はこの方法の候補になる. 被乗数を として計算例もあげておく.
A) の位の数字同士が同じとき
を補正:
B) の位の数字同士を足すと になるとき
を補正:
C) の位の数字同士が同じとき
を補正:
D) の位の数字同士を足すと になるとき
を補正:
E) どちらかの数字の の位と の数字が同じとき
を補正:
F) どちらかの数字の の位と の数字を足したものが になるとき
を補正:
※ 次のような場合にも補正できるが, 見落としてしまうことも多いだろう.
以下で は の倍数で桁上がりがない.
以下で は の倍数で桁上がりがある. この場合 を と見做して計算する必要がある.
注: 上記の場合で, 補正がある場合には次のようにする必要がありやや複雑である.
//
以下で は の半分.
以下で は の倍数で桁上がりがない.
※ 他にも使用できる計算パターンとして,
原理は基本的に上と同じ以下のようなものがあるのだが, 実用的でないとして割愛した. やろうと思えば, このパターンも補正できる.
の倍数である数と の位の数字が の位の数字よりも だけ小さい数をかけるとき.
例:
(補正がある場合)
を補正: