年の “Iberoamerican Mathematical Olympiads” の問題から.
【問】
の外心を
とする. 直線
と
の交点を
, 直線
と
の交点を
, 直線
と
の交点を
とし,
の外接円の半径を
とする. このとき,
が成り立つことを証明せよ.
【解】
が直角三角形のとき, たとえば
を直角だとすれば, 外心
は
の中点にある.
,
なので,
が成立する.
次に, は鋭角三角形とする. このとき, 外心
は
の内部にある.
正弦定理から,
の延長が外接円と交わる点を
とすると,
に正弦定理を使って,
したがって,
同様にして,
となる.
だから,
これから,
したがって,
が示せた.
今度は, が鈍角三角形の場合を考えることとし,
を鈍角とする. このとき, 外心
は,
の外部にある.
正弦定理から,
また,
ここで, だから,
となる. の場合は,
となり, 交点をもたないので除外して,
(ただし, )
に正弦定理を使って,
したがって,
と鋭角三角形の場合と同様に示せる. も鋭角三角形のときと同様に示せ,
も
と同様に示せる. したがって, 鈍角三角形の場合についても示せた.
なお, または
の場合に, 交点が無限遠にあると考えれば, この命題は成立する. (
かつ
の場合には, 四角形
が菱形なので成立. どちらか一方のみが平行の場合,
とすれば,
なので,
なので, 成立する.)
//
※ 問題の英文をみると, 鋭角三角形の場合 (外心が三角形の内部にある場合) についてのみ示せば良さそうである.