すでに触れた内容もあるが, 傍心に関する基本事項がややこしいので, まとめておく.
三角形 の頂点
の外角
の
等分線と頂点
の外角
の
等分線の交点を
とする.
から
に垂線を下ろし, その足を
とする. また,
から直線
,
に下ろしたそれぞれの垂線の足をあらためて,
,
とする.
と
は合同,
と
も合同で,
である. したがって,
と
は合同となって,
から,
は,
の内心
を通る.
,
についても同様のことがいえ,
,
,
の
点を
の傍心と呼ぶ.
だから,
,
,
は同一直線上にある. 同様に,
,
,
および
,
,
も同一直線上にある. また,
の内心
は,
の垂心でもある.
において,
である. 同様に角を求めれば, ,
,
,
は, 互いに相似であることがわかる. なお,
である.
次に, の外心を
とし, 外接円と
の交点を
とする. 円周角から
また
だから, は二等辺三角形である.
は直角三角形だから,
はまた二等辺三角形である.
は
,
,
,
を通る円の直径だが,
から
はその円の中心である. また,
は,
の二等分線の上にあるから,
は, 外接円の弧
の中点でもある. 以上, 点
についていえることは,
と外接円の交点,
と外接円の交点についてもいえる.
今度は, 外接円と との点
以外の交点を
とする. 円周角から,
また,
だから,
となって, は二等辺三角形である. また,
は直角三角形だから,
も二等辺三角形である. したがって,
は
の中点である.
,
,
,
は同じ円の周上にあり,
はその円の直径であるから,
はその円の中心である.
から,
と
は合同であり, したがって
は, 外接円の弧
の中点でもある. 以上, 点
についていえることは,
と外接円の交点,
と外接円の交点についてもいえる.
は外接円の弧
の中点,
は外接円の弧
の中点だったから,
は外接円の直径で弦
と直交する. 外接円の半径を
とすれば,
である.
と
の交点を
とすれば,
は,
の中点である.
傍接円 ,
,
の半径をそれぞれ
,
,
とし,
,
から
に下ろした垂線の足を
,
とする. また, 内接円の半径を
とし,
から
に下ろした垂線の足を
とする.
で,
は,
の中点であったから,
である. また, は,
の中点で,
だから,
これから,
である. つまり,
である.
から,
,
に下ろした垂線の足を
,
とし, 垂線の長さ
,
,
を垂線が三角形の側にあるときは正, 反対側にあるときは負となるようにとると,
から,
で, 同様の関係になるよう作り変えた図を想像して,
したがって,
つまり,
,
,
だから,
である.
と
は相似で,
だから,
である. ( であった.) 方べきの定理から,
なので,
である.
傍接円 について,
となり, だから,
となる.
の面積を
とすれば,
であるが,
同様にして,
となり,
つまり
である. また,
である. (これは, ルーリエの定理と呼ばれる.)
傍接円の各辺またはその延長上の接点 ,
,
と, それぞれの辺と対する
の各頂点を結ぶ三つの直線は,
点
で交わることがチェバの定理の逆を使ってわかる.
下図において, つの傍接円が,
,
,
と接する点を
,
,
とすれば,
だから, ,
,
は一点で交わる. この交点をナーゲル点という. なお, 内接円と各辺の接点と頂点を結んだ線も一点で交わることが同様に示せるが, こちらの交点は, ジェルゴンヌ点という.
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