年共通テスト, 数学
の問題から. 直角三角形の外心が斜辺の中心にあるということがわかっていなければ話にならないが, 直角三角形でなくても成り立つ
と
の相似というのも, 幾何ではお馴染の事実で, すでに何度も使ってきた *1. したがって, 考えたり, その場で見つけたりする問題ではない. 外接円の半径を
, 内接円の半径を
とすれば,
になるということを知っていれば, 検算にはなるだろう.
問題を解く前に, そもそも円 を適切に作図できるか (つまり中心
は,
を通る
の垂線と
の交点として与えられる) ということが試されている点に従来からの変化が感じられる. 実際, 円
が円
に内接することをただ認めてしまうのであれば, 円
の半径が円
の半径の半分の
であることは自明で, 計算しなくてもわかることである. にもかかわらず, わざわざ方べきの定理を用いて円
の半径を計算させているのは, このやり方で作図した場合, 円
が円
に内接することは自明ではなく(実際, 特殊な辺の長さの関係でしかそうならない), 作図が成立した場合を仮定して, 解析しているということであろう.
【問】
【解】
から,
ピタゴラスの定理より,
と
は相似だから,
内接円 は,
と接するので,
が接点である. したがって,
また, と,
は相似だから,
方べきの定理から,
より,
内接円 の半径を
とすると,
から
また, と,
は相似だから,
方べきの定理の逆から, ,
,
,
は同一円周上にある.
また, ,
,
,
は同一円周上にない.
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*1:直近では, 記事 (266)参照.