年の一橋大の問題. 組合せの数
というのは, もちろん
個の要素をもつ集合において
個の要素をもつ部分集合の個数のことをいう. また,
は,
個の要素をもつ集合
から,
個の要素をもつ集合
(要素の間に全順序が定められているとする) への狭義増加関数 (真に増加している関数) の個数にも等しい. なぜなら,
の
個の要素をもつ部分集合をひとつ定めれば,
から
への狭義増加関数がひとつ定まり, 逆もまたそうだからである. (狭義増加関数ならば, 単射なので,
である.)
別の言い方をすれば, から
個のボールを投げて, いずれのボールも
の
個の箱のいずれかに入るのが写像だが, どの箱にもたかだか
個 (
または
個) しかボールが入らないときが単射である. 何かが同じであるというためには, ある基準がいるのであって, ボールを区別せずに, ボールが
個入っている箱 (
の要素で箱はひとつひとつ識別されている) の集合が一致すれば, 写像は同じものとみなすという考え方も存在する. この場合の異なる写像の個数が,
であり, 一方, ボールを識別して, ボールの来た先が違っていれば, ボールが入っている箱 (要素) の集合が一致していても違う写像とみなすという考え方に立てば, 異なる写像の個数は
となる.
場合の数や確率の応用問題では, 数え上げを行う上で, どこまでを 「同じ」とみなすのかは, 明示されないことがあるし, 「同じ」であることに絶対的な基準があるわけでもないので, 注意する必要がある.
【問】
【解】
が
となる数字の箱の作り方は,
通りだが, それぞれの数字の箱には, 箱と同じ番号で
枚の異なるカードの内のどちらかを入れるから,
通りのカードの並べ方がある. したがって, 求める確率は,
である.
だから,
を
以下の自然数とすると,
となり, 数字の箱の作り方は,
の一通りしかない. それぞれの数字の箱には, 箱と同じ番号で,
枚の異なるカードの内のどちらかを入れるからカードの並べ方は,
通りである. したがって求める確率は,
である.
問題の条件は, をみたしていることと同値である.
となる数字の箱の作り方は,
通りある. それぞれの数字の箱には, 箱と同じ番号で
枚の異なるカードの内のどちらかを入れるからカードの並べ方は,
通りである. したがって求める確率は,
である.//