年東大文理共通問題. 要するに連分数に関係した問題である. は答が黄金比と白銀比に関連している. は有理数の連分数がユークリッド互除法と同値であることを示せばよい.
【問】
実数 の小数部分を, かつ が整数となる実数 のこととし, これを記号 で表す. 実数 に対して, 無限数列 の各項 () を次のように順次定める.
のとき,
のとき,
のとき, 数列 を求めよ.
任意の自然数 に対して となるような 以上の実数 をすべて求めよ.
が有理数であるとする. を整数 と自然数 を用いて と表すとき, 以上のすべての自然数 に対して, であることを示せ.
【解】
したがって,
から, である. これと問題の条件から,
となる. のとき, だから,
だから, は, または または である.
のとき:
と を満足する解として,
がある.
のとき:
と を満足する解として,
がある.
のとき:
条件を満足する は存在しない.
以上から求める実数 は, 黄金比の小数部分 と白銀比の小数部分である である.
ユークリッド互除法で, と の最大公約数を求めるためには以下のようにする. なお, を で除した剰余を とおいて, 以下帰納的に を で除した剰余を とする.
( となれば停止し, で, とする.)
このとき, とし,
のとき, ,
のとき,
と, を定めることにすれば, であることを以下に帰納法で示す.
のとき,
だから,
となって成立する.
と仮定すると, となって成立する.
と仮定すると,
だから,
となって成立する. 以上から, であることが示せた.
さて, ユークリッド互除法において,
のように, は, である に対して真に減少していき, 最後は必ず に収束する. なぜなら, もし, が に到達しないのであれば, 互除法の手続きを無限に続けることができるが, それは が有限な自然数であることに矛盾するからである. 実際にはたかだか 回の手続きで, は となる. のとき, となり, 以上のすべての自然数 に対して, である.
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