気分を変えて, 過去の大学入試問題から.
【問】
,
は自然数で
は定数とする.
平面上の点
を頂点とし, 原点と点
を通る放物線を考える. この放物線と
軸で囲まれる領域の面積を
, この領域の内部および境界線上にある格子点の数を
とする. このとき極限値
を求めよ. ただし 平面上の格子点とは, その点の
座標と
座標がともに整数となる点のことである.
【解】
都合により, ガウス記号を のように書くことにする.
題意を満たす放物線を
とおくと,
から, となって, 放物線は,
として定まる. これから,
となる.
(
,
は整数) 上の領域内または境界線上の格子点の数を
とし,
とおけば、
であり,
と表せる.
途中の計算は省略して,
となる.
だから,
したがって,
これから,
となる.
だから,
となる.
//
※ 自分も高校生だった頃, 考えたことがあるのを覚えているが, 極限概念が曖昧だと, 上のはさみうちの式で, 不等号についた等号のあるなしが気になるものである. 似たような例として,
が正しいというのがある.
//
※ 「はさみうち」などによく使われる便利な不等式を証明しておく.
実数 , 任意の自然数
に対して
[証明]
のときには, 明らか.
のとき真であると仮定すれば,
よって,
//
これを使った例として,
(
が
個,
は自然数)
とおく. そうすると,
である.
つまり,
したがって,
が証明された. //