東京都立高校 2017 年入試問題から. 簡単な問題だけれども, 立体の問題をきちんと説明するのは難しい.
問
を含む切断面を求めるために,
を通る
の平行線
をひくと,
は, 平面
上にある. 理由は前にも述べたように,
と平行線を含む平面は,
を含むが,
と
を含む平面はただ一つだからである.
さらに, は平面
と平行である. なぜなら, 平面
と平面
の共有点はすべて直線
上に存在するが,
は
に平行で平面
と共有点を持たないからである.
直線 と
上にはない点
は, 平面をただ一つ決定するが, その平面と平面
の交線
は, 直線
と平行である. なぜなら
と平面
は平行で
と
は, 同一平面上にあるからである.
直線 は, 平面
と平行である. なぜなら
と
を含む平面と平面
の共有点はすべて直線
上に存在するが,
は直線
と平行で, 平面
と平面
の共有点を含まないからである.
直線 と 直線
はともに平面
上にあるが,
は 平面
と平行なので,
とは共有点をもたない. したがって, 直線
と直線
は平行である.
平面上の任意の 点を結ぶ直線は, その平面にまた含まれるから, 平面
に線分
は含まれる.
と
は平行だから, 三角形の相似より,
(以下, 単位省略). 中点連結定理より,
(
は正三角形).
なので,
は, 平面
と垂直である. したがって,
と
は, 垂直である.
と
は平行で,
と
は同一平面にあるから,
と
は直交する.
したがって, である.
問
の面積は単なる平面図形の問題で
である. 三角錐
の高さを求めるために次の定理を証明なしで使う.
定理: 平面に垂直でない直線がその平面上に投ずる正射影は, この直線上の任意の 点がその平面上に投ずる正射影 *1を結ぶ直線である.
いま, 投影平面として, 平面 を考え, この平面に垂直でない,
の正射影を考える. そうすると点
は,
と
の交点だから,
の正射影は,
自身である.
次に, 点 から,
に垂線を下ろすと, 垂線の足は,
が正三角形であることから,
の中点 (すなわち, 問
における
点) となる. 直線
は平面
と垂直なので,
は下図の
と垂直である (あるいは問
の
と
は垂直といってもよい). よって, 直線
は 平面
と直交し,
の平面
における正射影は, 点
である.
したがって, 前述の定理により, が平面
に投ずる正射影は,
である. 点
の正射影
を考えると, 同位角から,
と
は平行である.
,
は
の中点であるから,
である.
以上から求める体積は,
である.
*1:空間の 点から平面に下ろした垂線の足のことである. ただし, 空間の点が投影面上の点である場合には, その点自身とする.