ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (221)

 x^2 -12x -864 = 0 の因数分解をするのに, 平方完成すればよいという解説があって, それはその通りだなあと思ったんだけど, 別解として, いわゆる「とってがけ」の逆をやる方法があるんではないだろうかと思った.

 8643 でも 4 でも割れ, したがって  12 で割れるから,  2 つの数の最大公約数は  12 である.

元の式の因数分解をするかわりに,

 12x^2 -12x - 72 = 0

として, 両辺を 12 で割ると,

 x^2 -x -6 = (x -3)(x +2) = 0

したがって, もとの式の解は, 定数項に 12 をかけて,

 (x-36)(x+24) = 0

である. //

※ 巷で「とってがけ」とか言われているのは, たとえば,

 2x^2 + 21x + 55 = 0 を「たすきがけ」で因数分解するかわりに,

 x^2 + 21x + 55 \cdot 2= (x + 11)(x + 10)

を求めておいて,

 \begin{eqnarray}
\left(x + \frac{11}{2}\right)(x + 5) &= & 0 \end{eqnarray}

とするやり方のことをいう.//

 x^2 + 119x -3600 = 0 のような場合は,

 119 = 7\cdot 17*1,  3600 = 2^4 \cdot 3^2 \cdot 5^2 で互いに素である.

 2 つの解を  \alpha,  \beta とし,  \alpha \leq \beta とすれば,

 \alpha^2 \leq 60^2

だから, 互いに素である  (\alpha, \beta) の可能な組合せは,

 (\pm 1, \mp 3600),  (\pm 9, \mp 400),  (\pm 16, \mp 225),  (\pm 25, \mp 144)

しかない. したがって

 (x - 25)(x + 144) = 0

とわかる. //

*1:7 の倍数の判定は  10 の位以上の数字から, 1 の位の数字の  2 倍を引けばよい. この場合は,  11-2 \times 9 7 の倍数であることを確認すればよい. あるいは,  987 で割れるから,  1 \times 2 + 197 の倍数であることを利用してもよい.