ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (194)

塾で、こんな問題があった。

【問】
 \triangle OAB において  \vec{OA} = \vec{a}, \ \vec{OB} = \vec{b} とする。辺  OB の中点を  M, 辺  AB 2:1 に内分する点を  C, 辺  OA 1:4 に内分する点を  D, 線分  CM と線分  BD の交点を  P とするとき、 \vec{OP} \vec{a}, \vec{b} で表せ。

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もちろん、普通 (だが、普通とはなにか?) のやり方で解けば良い*1のだが、 MP: PC を幾何で求めることもできる。

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 OC DB の交点を  Q とすると、 \triangle  OAC を切る  DB にメネラウスの定理を使って、

 \displaystyle{\frac{OD}{DA} \cdot \frac{AB}{BC}\cdot \frac{CQ}{QO} \\
= \frac{1}{4} \cdot \frac{3}{1}\cdot \frac{CQ}{QO}\\
=1
}

となる。また、 \triangle COM を切る  DB にメネラウスの定理を使って、

 \displaystyle{\frac{OQ}{QC} \cdot \frac{CP}{PM}\cdot \frac{MB}{BO} \\
= \frac{QO}{CQ} \cdot \frac{CP}{PM}\cdot \frac{1}{2}\\
=1
}

となる。両式の左辺、右辺をかけて

 \displaystyle{\frac{1}{4} \cdot \frac{3}{1}\cdot \frac{CQ}{QO}\cdot
\frac{QO}{CQ} \cdot \frac{CP}{PM}\cdot \frac{1}{2} \\
=\frac{1}{4} \cdot \frac{3}{1} \cdot \frac{CP}{PM} \cdot \frac{1}{2}\\ =1}

したがって、

 CP:PM = 8:3

である *2。これから、

 \displaystyle{\vec{OP} \\
= \frac{8 \vec{OM} + 3 \vec{OC}}{11}\\
= \frac{8\cdot \frac{1}{2} \vec{b} + 3 (\frac{1}{3}\vec{a}+\frac{2}{3}\vec{b})}{11}\\
= \frac{ \vec{a} + 6 \vec{b}}{11}}

である。//

※ メネラウスの定理は、多角形の場合に拡張できる。四角形  OACM DB が四角形のどの頂点も通らずに切っているので、

 \displaystyle{\frac{OD}{DA} \cdot \frac{AB}{BC} \cdot \frac{CP}{PM}\cdot \frac{MB}{BO} \\
= \frac{1}{4} \cdot \frac{3}{1}\cdot \frac{CP}{PM} \cdot \frac{1}{2} \\
=1
}

から、

 CP:PM = 8:3

である。

※ 三度目だが、この方向で2013 年の京都大学の文理共通の入試問題の別解を考えてみる。

【問】
平行四辺形  ABCD において、辺 AB 1:1 に内分する点を  E, 辺  BC 2:1 に内分する点を  F, 辺  CD 3:1 に内分する点を  G とする。線分  CE と線分  FG の交点を  P とし、線分  AP を延長した直線と辺  BC の交点を Q とするとき、比  AP:PQ を求めよ。

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【解】まず、 DX: XA = 1:10 であることは、相似を使ってすぐにわかる。

 \triangle ABQ とそれを切る  EC についてメネラウスの定理を使うと、

 \displaystyle{\frac{AE}{EB}\cdot\frac{BC}{CQ}\cdot\frac{QP}{PA}\\
= \frac{1}{1}\cdot\frac{BC}{CQ}\cdot\frac{QP}{PA}\\
= \frac{BC}{CQ}\cdot\frac{QP}{PA}\\
=1}

四角形  AQCD とそれを切る  FX にもメネラウスの定理を使うと、

 \displaystyle{\frac{AP}{PQ}\cdot\frac{QF}{FC}\cdot\frac{CG}{GD}\cdot \frac{DX}{XA}\\
= \frac{AP}{PQ}\cdot\frac{QF}{FC}\cdot\frac{3}{1} \cdot \frac{1}{10}}
 \displaystyle{=  \frac{AP}{PQ}\cdot\frac{3QF}{BC}\cdot\frac{3}{1} \cdot \frac{1}{10}\\
= \frac{9}{10}\cdot \frac{AP}{PQ}\cdot\frac{QF}{BC}\\
=1}

つまり、

 \displaystyle{ \frac{BC}{CQ}\cdot\frac{PQ}{AP} = 1\\
\frac{AP}{PQ}\cdot\frac{QF}{BC} =    \frac{10}{9} }

両式の左辺と右辺をそれぞれかけて、

 \displaystyle{ \frac{QF}{CQ} =    \frac{10}{9}}

これから、

 \displaystyle{ \frac{\frac{BC}{3}-CQ}{CQ} =    \frac{10}{9}\\
 \frac{BC}{CQ} =    \frac{19}{3} }

したがって

 \displaystyle{\frac{AP}{PQ} = \frac{19}{3}}
//

*1:二つの線分  DB MC の内分点が一致したものが  P だから、 \vec{OP}= s\vec{OM} + (1-s)\vec{OC}= t\vec{OD} + (1-t)\vec{OB} から  s または  t を求めればよい。

*2:天秤法でもできる。 \triangle OAC について、 O 4 とすれば  A1,  B 2, したがって  C 3 なので、 OQ:QC = 3:4 である。次に  \triangle OCM について、 O 4,  C 3 とすれば、 B 4 なので  M 8 である。したがって、 MP: PC = 3: 8 である。