ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (193)

正方形  ABCD の辺  CD 上の点を  X とし、直線 AX が直線  BC と交わる点を  Y とすれば、 AX + AY \gt 2AC である。

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線分  XY の中点を  M とすると、

 \displaystyle{\begin{align}AX + AY &= (AM - MX) + (AM + MY) \\ &= 2AM \end{align}}

であるから、

 AM \gt AC

であることを示せばよい。そのために、 \triangle ACM \angle ACM が鈍角であることを示せばよい。

 M は直角三角形  XCY の斜辺の中点なので、 \triangle MXC は二等辺三角形 であり、したがって

 \angle MCX = \angle MXC

である。 \angle MXC \triangle XAC の頂点  X における外角なので、

 \angle MXC =\angle MCX  \gt 45^\circ

である。したがって、 \angle ACM は鈍角である。//


 BC を最小辺とする  \triangle ABC の内部に任意の点  P をとれば、

 PA + PB + PC \lt AB + AC

である。

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 P を通り、 AC に平行な直線と  AB との交点を  Dとする。また、 P を通り、 AB に平行な直線と  AC との交点を  Eとする。

 ADPE は平行四辺形で、したがって

 PA \lt AD + AE

である。 PB \lt DB であることを示すために、 \triangle PBD について  \angle BDP \lt  \angle DPB であることを以下に示す。

 BC は仮定から \triangle ABC の最小辺なので、 \angle A \angle B よりも小さく、 \angle C よりも小さい。ところで、 \angle BDP = \angle A である。また  \angle DBP \angle B よりも小さい。したがって  \angle DPB \gt \angle C であり、これから、 \angle BDP \lt  \angle DPB であることがいえ、 PB \lt DB がいえた。

同様の議論で、  PC \lt EC もいえる。

以上、

 PA \lt AD + AE
 PB \lt DB
 PC \lt EC

がいえるので、

 \displaystyle{PA + PB + PC \\ \lt (AD+ DB)+ (AE + EC)\\ = AB + AC}

である。//

※ 別解。

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 P を通り、 BC に平行な線を引き、その平行線と  AB の交点を  D,  AC との交点を  E とする。

 AE \geq AD と仮定する。
そうすると、 \triangle ADE で、 \angle ADE \geq \angle AED である。 \angle APE \gt ADE だから、 \angle APE \gt \angle AED がいえる。したがって、 PA \lt AE となる。

 BC \triangle ABC の最小辺だから、 \angle A は、 \triangle ADE においても最小角であり、したがって、 DE は、 \triangle ADE の最小辺である。したがって、 DE \lt AD である。以上から、

 PA + DE \lt AD + AE

である。以上の議論は、 AD \geq AE と仮定しても同様に成立するので、 AD, AE の辺の大小関係に対する仮定は落とすことができる。

さらに、

 PB  \lt DB + DP
 PC \lt EC + PE

が成立するので、

 PA + DE + PB + PC \\
\lt AD + AE + DB + DP + EC + PE\\
= AB + AC + DE

となって

 PA + PB + PC
\lt AB + AC

が成立する。//


二つの三角形  ABC A'B'C' AB = A'B', \ AC = A'C' のとき、 \angle A \gt \angle A' ならば、 BC \gt B'C' である。

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 \triangle A'B'C' を平行移動して上の図のように配置する。 \angle CAC' の二等分線と  BC の交点を  D とする。すると三角形の合同から  CD = C'D である。三角不等式により、

 \displaystyle{\begin{align}
B'C' &\lt BD + C'D \\ &= BD + CD \\&= BC\end{align}}

である。//
※ 記号を入れ替えば、 \angle A' \gt \angle A ならば、 B'C' \gt BC であることもいえる。//
※ 転換法による証明により、「二つの三角形  ABC A'B'C' AB = A'B', \ AC = A'C' のとき、 BC \gt B'C' ならば、 \angle A \gt \angle A' である」「 B'C' \gt BC ならば、 \angle A' \gt \angle A である」もすぐに証明できる。//

三角形の二辺が等しくないとき、その二辺の大きい方の辺に引いた中線、垂線、二等分線は、それぞれ小さい方の辺に引いた中線、垂線、二等分線よりも短い。

※ 以下、 AB \gt AC とする。
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中線の場合:
 \triangle ABD \triangle ACD において、 AD は共通、 BD = CD である。仮定より  AB \gt AC であるから、 \angle ADB \gt \angle ADC であることがいえる。次に、 \triangle GBD \triangle GCD において、 GD は共通、 BD = CD である。 \angle ADB \gt \angle ADC であるから、 GB \gt GC であることがいえる。 G は重心なので、

 GB:BE =GC:CF=2:3

であるから、 BE \gt CF である。
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垂線の場合:

三角形の面積一定から、

 AB \cdot CE= AC \cdot BD

で、仮定から  AB \gt AC だから  CE \lt BD である。

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二等分線の場合:

 BE, CF を角の二等分線とする。

仮定から  AB \gt AC だから、 \angle C \gt \angle B である。したがって  AF 上に D をとって、 \angle DCF = \angle EBA とできる。 \triangle DBC において  \angle DBC \lt  \angle DCB だから、 DB \gt CD である。したがって  DB 上に  G をとって  BG = CD とできる。 G を通り、 DC に平行な線を引いて  BE との交点を  H とする。そうすると  \triangle BGH \equiv \triangle CDF だから、 BH =CF である。したがって、 CF \lt  BE である。//