スイセンって色々な種類があるんだなあ。黄色のスイセンだけでもいくつかの種類がある。この時期、どこでも見かける「ノースポール」はサカタのタネの商品名で、カンシロギクという和名もあるんだということを最近知った。あとはクリスマス・ローズが咲いているのを今年はじめて見た。
「エントロピー 」という言葉はよく使われるが、もし高校物理で熱力学を勉強した高校生に少しだけ熱力学的エントロピーを教えるとしたら、どう説明するのがよいだろうかとあれこれ構想してみることがある。まとまってはいないが、忘れないうちに、順不同にメモしておく。
絶対外せないだろうなと思うのは、エネルギーのフローとしての二つの形態である「仕事」と「熱」がそれぞれ (示強変数 示量変数) の形で表された、 と という共軛のような関係にある美しさである。カルノー ・サイクルの 線図が 線図に変換されたときの、あの信じられない単純な美しさは味わうべきものである。
エントロピー変化 の単位が であることに戸惑うかもしれない。しかし、すでに高校物理でもっとも味わうべき美しい推論によって、理想気体の場合とはいいながら、温度は分子 1 個の平均運動エネルギーに比例していたことを思い出すべきである。単位が意味するのは数量 (個) の変化に近いものである。
あとは摩擦のない断熱準静的過程で、エントロピーが不変なのは、温度変化と体積変化によるエントロピー増加と減少がちょうど打ち消しあっているからだという内部イメージ (温度が上がる場合や物質が拡散して体積が増える場合は、それぞれエントロピーが増える) は必要だろう。
不可逆性の指標としてのエントロピーでは、まず「不可逆」とはどういうことかが重要である。
不可逆の定義:
巨視的系 が最初の状態 から状態 に変化する過程 があったとする。状態 にある を始めの状態 に戻す「いかなる」過程も の外部系 になんらかの痕跡を残すとき過程 を不可逆過程という。
可逆過程とは、はじめの状態に戻し、かつ、なにも外部系 に痕跡を残さない過程が (少なくとも理論的には) 存在するということである。
系 をはじめの状態に戻すのだから、系 にはなんの痕跡も残っていない。したがって外部系 を使って痕跡を調べるしかないというのがミソである。また戻るときに可逆過程を使えば、行きも可逆過程であれば外部系に痕跡を残さないので、測定に都合が良いということもわかるだろう (それに可逆過程はもっとも効率がよい)。究極には、(外部に取り出された仕事も熱に変わるので) 外部系 に一定温度の熱源をとって、そこに捨てられる「余分な」排熱に比例する状態量であるエントロピーで、不可逆性を定量的に評価できる。