ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (75)

映画を見るのに忙しくて、写真撮る時間はあまりないので二枚だけ。青山真治監督で思い出したが『奥様は芳紀十七歳』(1954) は『殺し屋ネルソン』(1957) とともに DVD でよいから見たいリクエスト作品である——本当は他にもいっぱいあるけれど。


イエギク。

ノイバラの実。「営実 (えいじつ)」という。営実は、赤い星 (火星) に由来するとされており、牧野富太郎博士の『植物一日一題』からきているのだろうが、それが正しいかどうかは不明である。牧野自身は、李時珍の『本草綱目』(1596) にある「其子成簇而生、如営星、然故謂之営実」という漢文の「如営星」の意味が分からず、友人の理学博士 (植物学) による「営星」は火星のことだという解釈を紹介しているだけである。そもそも「営星の如く」という牧野の訓読が正しいのかさえ不明である。「その実は集まってでき、まるで火星のようだ」は素人でも意味をなしていないように思える。*1

*1:漢字の「営」は旧字体だと「營」と書き、その古典的意味は以下が非常に参考となった。

57「営」は「軍隊などの仕事にいそしみ努める」の意味か? : 常用漢字論―白川漢字学説の検証