ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (36)

小学校の算数も教えることになりそうなのでいろいろと問題をみていたら、「比」というのをうまく使うことが算数では必要なケースが多いということがわかった。たとえば、「逆比」の考え方を使えば以前の記事 (6・13) で紹介した神奈川県公立高校の2019年入試問題など算数的に解ける。梃子の原理は、釣り合いのためにはそれぞれの腕の支点からの長さの比とおもりの重量比が「逆比」の関係にあるということだが、これは物理の「仕事」の原理から成立するのはいうまでもない。辺の比を頂点にぶら下げる重りの大きさの逆比に変換して物理的重心にしてしまえばよいという諸学融合の発想である。

【問】
三角形  ABC があり、辺 AB の中点を  D とする。また辺  AC を三等分した点のうち、点  A に近い点を  E, 点  C に近い点を  F とする。さらに線分  CD と線分  BE の交点を  G, 線分  CD と線分  BF の交点を  H とする。三角形  BGD の面積を  S, 四角形 EGHF の面積を  T とするとき、 S T の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

【解】

まず、辺 AC を梃子と考え、E を支点と考える。そうすると逆比から、A2, C1 の重りがぶら下がっていれば釣り合う。今度は辺 AB を梃子として支点を D とすれば、A にぶら下げた 2 の重さの重りは B2 の重りをぶら下げれば釣り合う。このとき、支点 D にかかる力は 4 である。さらに CD を梃子と考え、G を支点と考えれば D4, C1 の力がかかっているのだから、釣り合うには DG:GC = 1:4 である。

まったく同様にして、DH:HC = 1:1 である。

後は中学受験にも頻出する底辺または高さ共通の三角形の面積比の考え方を応用して比を求めればよいだけである。

 S = \frac{\triangle{DBC}}{5}

 \triangle{CGE}= \frac{8\triangle{DAC}}{15}

 \triangle{CFH}= \frac{\triangle{DAC}}{6}

上の二つの面積の差から、

 T = \frac{11\triangle{DAC}}{30}

 \triangle{DAC} = \triangle {DBC} なので、

 S: T = 6:11
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※ 各頂点に置く重りの重さは、最小公倍数を使って「連比」となるように大きさを揃えることが必要である。
※ メネラウスの定理が必要な外分がある場合にも適用できる。
※ 方法が数学的に正しい結果を得ることの証明は単純に交点を求めるベクトル計算をやればできることだが、煩雑なのでここには示さない。