ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

ああ、そうか

“Chênh Vênh” のベトナム語の発音で最後の鼻音は /ɲ/ であるが、その子音の前に渡り音のような /i/ が入っている。この子音の聞き取り (/n/ との区別) が難しいと思っていたら、それは日本語訛りのせいだと気がついた。「なにぬねの」と自分で言ってみると「に」と「ね」はもともと /ɲ/ に近い音である (ただし、「ね」はきわめて微妙である)。そういえば「にゃににゅねにょ」だもんなあ。いままで生きていて気がついておらず、かなりショック。英語の発音のときにも気をつけよう。

蓮實さんのフォード論の連載が始まって本当に嬉しい。フォード作品のいたるところで、まるで「韻律」のように反復される「投げること」の身振りを「主題」という用語さえ使わずに語り始めている。『馬上の二人』(Two Rode Together, 1961) の「ジェームズ・スチュアートとリチャード・ウィドマークが川辺で語らったり、ウィドマークとシャーリー・ジョーンズとが池のほとりで言葉を交わしあう素晴らしいシーン」がピンとこず、早速 DVD で確認する。