ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

生活の設計

二年前の今日、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズであったジャンヌ・モローがお亡くなりになった。下の写真は、マイルス・デイビスの喇叭を吹いている彼女の写真である。

フランソワ・トリュフォー監督の『突然炎のごとく』(Jules et Jim, 1962) でカトリーヌ役を演じたモローだが、ジャン・リュック・ゴダール監督の『女は女である』(Une femme est une femme, 1961) にちょっとだけ出演していて、ジャン=ポール・ベルモンドがモローに撮影中の『突然炎のごとく』について質問する場面がある。

このゴダールの『女は女である』、トリュフォーの『突然炎のごとく』というヌーヴェル・ヴァーグの二本の傑作がオマージュを捧げている映画こそが、エルンスト・ルビッチ監督の『生活の設計』(Design for Living, 1933) である。そこではこれまた素晴らしい大女優、ミリアム・ホプキンスがゲーリー・クーパー、フレドリック・マーチというハリウッド最高の二人の男優たちと堂々と渡りあっている。その素晴らしさ!彼女は『風と共に去りぬ』(1939) のヒロインの最有力候補だったなどという無駄口はやめにすることにしよう。映画史が『女は女である』『突然炎のごとく』とともに永遠に記憶し続けるだろう、完璧でありながらも若々しいこの作品のヒロインがミリアム・ホプキンスであるというだけで十分である。

“No sex. It's a gentleman's agreement.”


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