岩瀬彰さんの『「月給 100 円サラリーマン」の時代』という大変面白い本を読んでいたら、1929 年 (昭和 4 年) 、日本人は、月 15 キロ以上、つまり年間 180 キロ以上、米を食べていたとある。いまの日本は年間 50 キロ強である。バングラデシュは 2011 年のデータで 173 キロというデータがあるから、現在のバングラデシュと戦前の日本が一人あたり消費している量がほぼ同じであるということがわかった。ちなみに、当時 (1929) の二等の白米 10 キロの価格は、2 円 46 銭で、大雑把だが、2,000 倍すると、現在の価格水準ということで、ほぼ当たっている気がする。この価格が、1931 年には、1 円 69 銭 まで下がり、蚕の繭の価格も 1 年で半分以下になったとある。農家の年間平均所得は 1929 年の 1,326 円が、1931 年には 650 円になったというのだから、凄まじい。一方、農村を苦境に追い込んだ米価格の暴落や衣服の値下がりは、都会のサラリーマンには明るいニュースだったらしい。昭和恐慌が農村不況と呼ばれる理由がようやくわかった。

「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書)
- 作者: 岩瀬彰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 新書
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