ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

I’m Just Wild About Harry

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アナトール ・リトヴァク監督がわずか二日で降板してしまい、ラオール・ウォルシュ監督が後を引継いで完成させたジェームズ・キャグニー主演の映画『彼奴は顔役だ!』(The Roaring Twenties, 1939) で使われている曲として、プリシラ・レインが “My Melancholy Baby” や “It Had to Be You” を歌っていることはすでに紹介したが、この映画では実にたくさんの当時のポピュラー音楽が使われている。禁酒法が終わりを告げた30年代初期まで含まれているこの作品では、20 年代の音楽だけでなく 30 年代の音楽まで聞くことができる。たとえば、作品の最後の方でグラディス・ジョージが安酒場で歌う “In a Shanty in Old Shanty Town” は 30 年代初期に作られたものである。1932 年の Joe Green’s Ambassadors のもの、1950年の Doris Day のもの、1962 年の Dizzy Gillespie のものをあげておく。

また、プリシラ・レインが歌う他、映画の中でしばしば使われている “My Melancholy Baby” はすでに紹介したように、もともと1910年代の曲である。他にも1910年代の曲があるが、そもそも第一次世界大戦が映画の冒頭で描かれているのだから、これもおかしくはないだろう。20年代の曲としてバックに流れている曲はかなりあり、“The Japanese Sandman” や 小説 “The Great Gatsby” にでてくる “Ain’t We Got Fun” まで流れていたと思うが、ここではプリシラ・レインが歌う “I’m Just Wild About Harry” を紹介しておく。

1922:
Vaughn De Leath:

Paul Whiteman:

Bennie Kruger Orchestra:

Marion Harris:

1930:
Red Nichols:

1937:
Noble Sissle and his Orchestra:

1939:
Judy Garland:

Priscilla Lane:

1944:
Carmen Miranda:

1945:
Bud Freeman and his Orchestra:

1949:
Al Johnson:

Alice Faye:

1958:
Peggy Lee:

Kathy Linden:

1967:
Sara Vaughn:

 

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