前の記事で、ヴァル・リュートン製作、ジャック・ターナー監督による『キャット・ピープル』(1942) が出てきたので、その作品の編集を担当し後に映画監督となるマーク・ロブソンを思い出した。それから、マーク・ロブソンがやはり編集しオーソン・ウェルズが演出を途中放棄したドロレス・デル・リオとジョセフ・コットン主演の『恐怖の旅』(1943) もついでに思い出す。それからマーク・ロブソンが監督した作品で比較的最近見たゲーリー・クーパー主演の『楽園に帰る』(1953) が思い出され、必然的にその映画が上映されている映画館が出てくるジャック・ドゥミー監督の長編第 1 作で、ドゥミーが愛してやまなかったという『快楽』(1953) のマックス・オフュルスに捧げられた『ローラ』(1961) に辿り着く。そもそもオフュルスの『歴史は女で作られる』(1955) は、原題が「ローラ・モンテス」であり『ローラ』への影響は明らかであることを確認していると、突然、学生の頃、土曜か日曜のどちらかにイメージ・フォーラムの映写室で『快楽』が上映されるのを見に行って、なんと前の席に山田宏一さんが座っておられ、いきなり上映前に振り返ってこられ「オフュルスが好きなんですか」とニコニコしながら話しかけてこられたのでドキドキしたのを思い出した。それから、これまた素晴らしいロベール・ブレッソン監督の『ブローニュの森の貴婦人たち』(1945) でキャバレーのダンサーとして出演しているエリナ・ラブールデットが『ローラ』に出演していることに思いが至り、「ブローニュ」で踊っている写真を娘のセシルが二階からとってきて、マルク・ミシェルに見せる場面が蘇る。娘のセシルはこの作品でシェルブールに家出をして、その家出娘が成長したイメージが『シェルブールの雨傘』(1964) のカトリーヌ・ドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴである。ここにきて、やっと今までこれだけ音楽のクリップを貼り付けていながら、ミシェル・ ルグランをまったく無視している迂闊さに気がつく。罪滅ぼしに一番分かりやすい曲を掲載することにする。
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