ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

Reveille with Beverly

第二次世界大戦中に日本軍が連合国軍側に向けて行ったラジオによるプロパガンダ放送の女性アナウンサーが「東京ローズ」と呼ばれたのは周知のとおりであるが、Jean Ruth Hay は、女性のディスク・ジョッキーで、当時世界中に従軍している兵士達が眠りから覚めるように、早朝 5 時半から 1時間の AFRS (Armed Forces Radio Service) の プログラムである “Reveille with Beverly” をオンエアしていた。reveille とは「起床ラッパ」のことであり、Beverly は 彼女自身のことを reveille との語呂合わせでそう呼んだのだろう。プログラムで流されていたのは、当時全盛だったスイング系の音楽であったという。

彼女 (Ms. Hay) 自身のことを忠実に映画化したわけではないが、それを題材にして作られた映画が、Charles Barton 監督の “Reveille with Beverly” (1943) であり、アン・ミラーが主演している。以下のクリップは、この映画のトレーラーであり、Jean Ruth Hay 自身が出演して映画の紹介をしている。

クリップを見るとわかるように、この映画の興味は、当時の人気ミュージシャンが映画に出演して実際に演奏していることにほぼ尽きる。

まず、デューク・エリントン楽団が『A列車で行こう』をやっていてベティ・ロッシュが歌っており、これが何よりもいい。

ミルズ・ブラザーズは二曲やっている。

黒人達にも人気があったエラ・メイ・モースが歌う “Cow-Cow Boogie”。

カウント・ベーシー楽団は、“One O'Clock Jump” をやっている。

フランク・シナトラは、コール・ポーターの “Night and Day” を演っているが、トミー・ドーシー楽団から独立して歌うようになった最初期の映像という資料的価値がある。

ビング・クロスビーの弟であるボブ・クロスビーの楽団が演じる “Big Noise from Winnetka”。

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