ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

陥没地帯 (3)

ナツツバキ (夏椿) の花が咲きはじめた。日本では夏椿が沙羅樹に擬せられてきた。夏椿が一日花で、朝咲いて夕方には花全体が落ちることを具体的な経験として知っていなければ、平家物語の有名な「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」も、森鷗外の詩…

陥没地帯 (2)

最初、月下美人かと思ったがサンカクサボテンだと思う。日本では受粉を助ける生物が不在で難しいと思うけど、実はあのドラゴンフルーツである。夕方から咲き始めるのは月下美人と同じだけど次の朝になっても萎まずに咲き続けている。サツキ。ノイバラの園芸…

陥没地帯

1979 年 7 月 15 日に発行された銀色の表紙のエピステーメー7月臨時増刊・終巻号が本棚にあるのだが、そこには蓮實重彦の『陥没地帯』が掲載されている。その書き出しを引用してみるとこうなっている。 さしあたっての口実は何であってもかまうまい。どのみ…

気晴らし (43)

トクサ (砥草 / 木賊)。新芽が美しい。キツリフネ。もう咲き始めている。イロハモミジの実がはっきりと赤くなってきた。キンシバイ (金糸梅) が咲き始めた。テッセン。

気晴らし (42)

一カ月半くらい前に記事でも紹介した座間市の栗原遊水池に行くと睡蓮と杜若の花が咲いていて嬉しかった。その後、栗原の付近を無闇に歩いていると私有地に無断で入ってしまったらしく、そこの人から怪しい奴と思われたのだろう、呼び止められた。何をしてい…

気晴らし (41)

ユキノシタ (雪の下、下二枚の花弁から雪の舌という説もある)。ユキノシタは、俳句では仲夏——旧暦では5月、新暦では 5 月下旬から 7 月上旬にあたる——の季語である。俳句などでは「雪の下」以外に「鴨足草」と書いてユキノシタと読ませる。「虎耳草 (こじそ…

気晴らし (40)

今日はほとんど歩いていないのであまり撮影しなかった。スイセンノウ。カタカナだとわからないので漢字で書くと「酔仙翁」。写真は違うけれど、一番多いのは赤い花なのでそこからつけられたらしい。ナデシコ科シレネ (マンテマ) 属だが、独立させてセンノウ…

気晴らし (39)

アメリカナデシコ。でも原産は南ヨーロッパである。別名はビジョナデシコとかヒゲナデシコとかある。英語名は "sweet-William" というんだけれど、なぜそう呼ぶかは知らない。英語の辞書で "sweet-William" をひくとちゃんと「アメリカナデシコ」と出てくる…

気晴らし (38)

ムシトリナデシコ。すでに (35) で南方熊楠による解説をあげておいた。なお、食虫植物ではなく茎の一部に分泌される粘着物にアリなどの小虫がくっつくことがあるだけである。欧州原産だが日本でも米国でも野生化している。写真は道端に咲いていたもの。ハナ…

気晴らし (37)

近所の公園の傍を通るとユリノキに花が咲いていた。北アメリカ中部原産で日本には明治初期に種がもたらされ、東京国立博物館のユリノキはその種の一つから育ったものである。日本 (本州) の各所でも千数百万年前の化石としてユリノキが発見されているそうだ…

気晴らし (36)

近所の「泉の森」は鵠沼海岸で相模湾に注ぐ引地川の源流にあたるが、本当の水源にあたるところは立入が禁止されている。その水源から水が流れ出すところに白い花が浮かんでいた。見ればエゴノキの花である。柵越しに水源の方を見るとエゴノキが水面 (みなも)…

気晴らし (35)

エゴノキの花。近所ではこの美しい花がなかなか見つけられなかった。桜のように花びらが散るのではなく花全体が落花する。本来白花だが写真は園芸種と思われる (英語名は "Japanese snowbell" である)。牧野富太郎先生は『植物記』で、萬葉集にでてくる山ヂ…

気晴らし (34)

トコナツ (常夏)。中国から伝わった石竹 (唐撫子) が江戸後期に品種改良されたものがトコナツ(常夏)であるが、現在見る「トコナツナデシコ」が江戸後期に品種改良されたものと同じかどうかはわからない。ともかく写真の開花期間の長い花は一般的にトコナツと…

気晴らし (33)

タツタナデシコ。英語の pink という単語はもちろん現在では色の名前を指すのが普通だが、もともとはこの花の名前が pink と呼ばれるようになり、色を喩えるのにこの花の名前の pink が使われるようになったもの。逆ではない。英語の辞書で pink を調べると…

気晴らし (32)

シコタンハコベ。普通のハコベと違って花が大きい。葯が赤い状態の花はなく残念。花弁の数は五枚。カワラナデシコ。単に「撫子」、または「大和撫子」ということが多い。秋の七草のひとつだが開花期間は長く、実際いまは 5 月だがもう咲いている。道端に咲い…

気晴らし (31)

「考える人」でやっていた蓮實さんへのロング・インタビューがとうとう終わってしまった。今日の回 (第 5 回) は聞き手をつとめられたホ・ムニョン氏のインタビュー後記で、最初に引用されているのは 1996 年に東京大学出版会から出された『知のモラル』(小…

気晴らし (30)

アヤメ。あの模様はやっぱり虫たちに中へ入るよう促すための目印なんだろうか。キンテマリ。タチアオイ。この花を見ると季節が夏に確実に移行しているのを感じる。気の早いアジサイも咲きはじめている。ブラシノキを見つけた。開花が楽しみ。現在の姿からは…

気晴らし (29)

ちょっと来ない間に、泉の森でも花菖蒲、黄菖蒲、アヤメが咲いていた。花菖蒲を見ながらよく考えてみるとこの花の萼って一番大きい黄色い筋が中心にはいっているものである(黄色の筋は花菖蒲をアヤメ、杜若から区別するのによい目印となる)。その上にある萼…

気晴らし (28)

Webマガジン「考える人」で韓国のインディペンデント映画誌「FILO」の第13号に掲載された蓮實重彦へのメールインタビューの日本語版公開が進行中。第一回は執筆中の『ジョン・フォード論』の現在想定されている構成が明らかにされており大変興味深い。カーネ…

気晴らし (27)

とうとう見つけた朴の木 (ホオノキ)。朴の木にしては、まだ小さいけれど、並んで 2 本立っている美しい様子が突然目に入ったときは、「気晴らし」をはるかに超えて感動した。これだけ歩きまわっても見当たらないので、ほとんど諦めかけていた。唐木順三のこ…

気晴らし (26)

ハコネウツギ。少し緑がかった蕾が、開花直後は純白となり、やがて紅をさしてきて、最後には沈んだ赤へと変化していく。自宅から最寄りの小田急江ノ島線駅のすぐ側の線路沿いを歩いていたら、なんとナワシロイチゴの株がいくつもあって花が咲いていた。クサ…

気晴らし (25)

鉢植えでだが、エゾノリュウキンカ (ヤチブキ) に近そうな花を初めて見た。この前、植物識別アプリがヤマブキソウを間違ってエゾノリュウキンカと回答していたのでピンと来た。リュウキンカにはいくつかの変種があるので厳密にエゾノリュウキンカに該当する…

気晴らし (24)

散歩に行く栗原には乗馬倶楽部がある。コヒルガオ。ヒメキンギョソウ。ダイダイの花。よい香りがする。トキワサンザシ (ピラカンサス、火棘; カキョク)。秋になるとつける真っ赤な実が好きなんだが、花は今頃なんだなあ。マメグンバイナズナ (豆軍配薺)。ウ…

気晴らし (23)

キショウブ。ハンショウヅル。ヒレハリソウ (コンフリー)。テイカカズラ。タンポポ。ルッコラ。コバノランタナ (小葉のランタナ)セアノサス・パシフィックブルー。

気晴らし (22)

ツリガネカズラ。大島桜と寒緋桜の自然交配種といわれている河津桜の実。黒紫色になったのが熟した実。生食には向かないとされるが、食べられないということではなく、好きな人もいる。ドウカンソウ。道端で写真を撮っていたら、そこにある家の女性が声をか…

気晴らし (21)

自宅から遠くない座間市栗原の周辺を散歩した。このあたりは畑作地域である。ベニバナツメクサ。コメツブツメクサ。ハゼリソウ。オオムギ。秋播きのコムギは開花が始まっている。近くには春播き小麦もあった。コリアンダー、葉っぱはパクチーと呼ばれている…

気晴らし (20)

オドリコソウを再び撮る機会があった。本当に笠をかぶって輪になって踊っているように見えるなあ。ニセアカシア (ハリエンジュ)。本来のアカシアとは違うのだが、このニセアカシアのことをアカシアと日本では呼んできた。西田佐知子や石原裕次郎の歌に出てく…

気晴らし (19)

近くの道端で見つけたんだけど、これ (下の写真) はカラスムギではなく、エンバク (燕麦, 英語では oat で穀物は普通複数形で oats) のように見える。そう思うのはカラスムギにあるはずの先っちょのひょろっと長いヒゲのような部分が非常に短いからなんだが…

気晴らし (18)

芹沢公園を散歩した。芝生の広場の中央には大きな榎 (写真) があって、なるほど木偏に夏と書いて榎と書くように夏には涼しい木陰を作るだろうなと思わせる美しい樹形である。江戸時代に整備された一里塚の傍にもっとも植えられ、そこで休憩する旅人に木陰を…

気晴らし (17)

ヒメフウロ。本来、日本では限られた地域のみに自生する植物だったのが、外来のものが帰化していまでは近所の道端にも見られる。右の花と左の花が異なって見えるのが不思議だったが、花の咲きはじめは雄蕊が出て、その後雄蕊が落ちて雌蕊が出るためらしい。…