ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

生活の設計

二年前の今日、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズであったジャンヌ・モローがお亡くなりになった。下の写真は、マイルス・デイビスの喇叭を吹いている彼女の写真である。フランソワ・トリュフォー監督の『突然炎のごとく』(Jules et Jim, 1962) でカトリーヌ役…

忍者と悪女

下のクリップは、ヴィンセント・プライスがエドガー・アラン・ポーの詩「大鴉 」(The Raven, 1845) を朗読しているものである。プライスは、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のナレーションと笑いのパートを担当していることで記憶している人もいるかもし…

突貫勘太

エドワード・サザーランド監督『突貫勘太』(Palmy Days, 1931)。振付は天才バスビー・バークレー、撮影はグレッグ・トーランド、音楽はアルフレッド・ニューマン、製作はサミュエル・ゴールドウィン、出演はエディー・カンター、ゴールドウィン・ガールズ他…

引き裂かれたカーテン

「フラバー」の記事のところで女優アンナ・リーの名前が出てきたが、日本語の Wikipedia の「アンナ・リー」(Anna Lee) の項目を見ると、彼女がアルフレッド・ヒッチコック監督の『引き裂かれたカーテン』(Torn Curtain, 1966) に出演していることになってい…

裸足の伯爵夫人

ジョゼフ・L・マンキウィッツ脚本・監督『裸足の伯爵夫人』(The Barefoot Contessa, 1954)。ロバート・オルドリッチ監督の『悪徳(ビッグ・ナイフ)』(1955) やニコラス・レイ監督の『孤独な場所で』(1950) にもそういった趣きがあるように、この作品はハリ…

真夏の夜の夢

映画 『真夏の夜の夢』(A Midsummer Night's Dream) はマックス・ラインハルトとウィリアム・ディターレ監督による1935 年のワーナー作品である。全編、キラキラと光っている夜の画面を見ているるだけでも楽しい。撮影はハル・モーア (Hal Mohr) だが、日本…

うっかり博士の大発明 フラバー

1961 年、ロバート・スティーブンスン監督による実写のディズニー映画で、原題は、”The Absent-Minded Professor"。ロバート・スティーブンスンは、ディズニー映画を 19 本も監督していて、まさにディズニー映画の巨匠である。ジュリー・アンドリュースが出…

メリィ・ウィドウ

『メリィ・ウィドウ』(The Merry Widow, 1934) は、エルンスト・ルビッチ監督による MGM 映画である。亡くなられた淀川長治さんは、作品が気に入っているかいないかが、すぐに外から察せられる人であったが、この作品については、明らかに本当に褒めておられ…

周遊する蒸気船

フォックス社、1935 年公開のジョン・フォード監督作品。原題は、"Steamboat Round the Bend"。「ウィル・ロジャース三部作」と呼ばれる一連のフォードの人情喜劇のひとつで 『ドクター・ブル』(1933)、『プリースト判事』(1934) に引き続く最終作にあたる。…

四人の息子

ジョン・フォード監督の 1928 年のメロドラマ (原題は "Four Sons")。どうしたって、これは泣いてしまうなあ ← またしても。作品の最後のところで、ジョン・ウェイン (ラオール・ウォルシュの『ビッグ・トレイル』で主演に大抜擢されるのは 1930 年のこと) …

ジョン・フォードの記事

新聞が電子情報化されることの価値は過去の記事の検索が非常に容易になることだと思っている自分としては、それ以外の目的で課金される料金を支払う気にはとてもなれない。たとえば、The New York Times のサイトで、米国時間の 1928 年 6 月 10 日、日曜日…

果てなき船路

このフォードの作品、昔はあまり面白いとは思わなかったんだけれど、最近見直しているうちに、だんだん面白いと思うようになってきた。まず、オープニングのクレジット・タイトルにジョン・フォードとグレッグ・トーランドが併記されている。普通、監督のク…

Harbor Lights

この曲は、独立プロデューサー、ウォルター・ウェンジャーが『駅馬車』(1939) に引き続いて製作したジョン・フォード監督の『果てなき船路』 (The Long Voyage Home, 1940) で少なくとも三度はバックに流れる。まず、最初の字幕のところで流れ、次はイアン・…

旅のおわり世界のはじまり

総天然色シネマスコープにアップされる前田敦子 (若尾文子の映画が好きという) が山の頂きで突然歌い出す「愛の賛歌 (Hymne à l'amour)」にこれほどまで泣けるとは!『めまい』(1958) のように酔いしれ、『カリフォルニア・ドールズ』(1981) のように泣ける…

方向音痴

方向音痴なので、右も左もわからないが、1991 年のベルリンの壁崩壊を社会主義に対する資本主義の勝利などと言うのは、決定的に間違っている気がしてならない。逆にソーシャル・ビジネスと普通のビジネスの違いも何かよくわからない。ソーシャルとわざわざつ…

ファクトフルネス

通勤電車の中で、学生さんがすごく熱心に本を読んでいるので、いったい何を読んでいるのだろうと思ったら、ベストセラーになった『ファクトフルネス』である。これだけフェイク・ニュースやネガティブ・ニュースやヘイト記事や歴史修正記事が世の中に溢れて…

資本主義としてのハリウッド映画

2007 年くらいにトルコ出身の経済学者、ダニ・ロドリック教授が提唱した 「国際政治のトリレンマ」というのは、新自由主義の歪みが顕在化し始めた頃から、しばしばその説明概念として引用されている。トリレンマというのは、「グローバル化、国家、民主主義…

香りも高きケンタッキー

YouTube にジョン・フォードの『香りも高きケンタッキー』(1925) の断片が存在している (いた) ことに驚く。 1936 年 (11 年子) の曲を何曲か。東京ラプソディ: 椰子の実: おしゃれ娘: アイルランドの娘: 花言葉の歌: 下田夜曲 (服部良一編曲) 二人は若い 都…

落下傘は開いた

米大統領の宮中晩餐会での「おことば」を読んでいると、 私自身の貴国との最初の思い出は、1970 年の大阪万博であり、(中略) チャールズ・リンドバーグ飛行士に、水上飛行機シリウス号の操縦席に乗せていただいたことを、今でも鮮明に覚えています。 という…

思い出の曲

若者が、実際に生まれてもいない 1960 年代をなぜ懐かしむのかを不思議に思う人の方が僕には余程不思議である。自分だって生まれてもいない時代の映画や音楽が好きである。逆にこの後期資本主義の時代に最新の流行を次から次へと追いかけて消費していくスタ…

疵千両

三年あまり前の小津安二郎監督の誕生日でも命日でもある 12 月 12 日の「サワコの朝」に香川京子さんが出演されていたのをたまたまテレビで見て、『近松物語』(1954) や『東京物語』(1953) の大女優が語る日本語の美しさに聞き惚れたことと、岸洋子さんの歌…

パーソナル・ソング

数年前のサンダンス映画祭で話題となったドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』(Alive Inside, 2014) でも紹介されていたが、認知症の症状の緩和に音楽が用いられている。それがどこまで効果があるのか寡聞にして知らないが、人にとって特定の音楽 (パ…

東京キッド

これはさすがに昔見ているが、斎藤寅次郎監督の『東京キッド』(1950) を見る。この作品はいま見ても大変面白く、当時大ヒットしたのがよくわかるし、13 才の美空ひばりが、すでに卓越した歌手であることもわかる作品だ。二回歌われる仁木他喜雄が編曲した、…

憧れのハワイ航路

斎藤寅次郎監督の『憧れのハワイ航路』(1950) を見る。岡晴夫と美空ひばりの歌が満喫できるなあ、この映画。それと、戦前の小津映画でおなじみの (たとえば、1932 年の『大人の見る繪本 生まれては見たけれど』) 吉川満子が出演しているのを見たときには嬉し…

没後30年

今年は美空ひばりの没後 30 年だったなあ。1937 年生まれの美空ひばりの舞台デビューは 、9 歳になった 1946 年 9 月、横浜市磯子の映画館「アテネ劇場」においてとされており、そのころの芸名は「美空和枝」であった 。彼女はそこでディック・ミネの「旅姿…

港に赤い灯がともる

海水魚って、どうやって水分補給するんだろうと不図、疑問に思ったが、やっぱり海水をゴクゴク飲んで塩分を体外に排出しているんだ。淡水魚は浸透圧の関係で、逆にエラなどから水が体内に吸収されていくので、積極的に水を飲まない。逆に体内の余分な水を外…

とりとめなく (2)

本当にとりとめなく聞く。日本特派員だったバートン・クレーンの歌を二曲。1931: (バートン・クレーン) 酒が飲みたい: ニッポン娘さん: ※ 東京の娘さんのところは「東京の娘さん、いかがです、銀座ガールつれない、いつでも冷淡」と言っている。名古屋の娘さ…

とりとめなく

これは小国英雄が脚本だけではなく、日活から東宝へ移籍し監督もした、『ロッパ歌の都へ行く』(1939) の断片だと思う。場所は日劇で、司会しているのが「悦ちゃん」なのかなあ (自信なし)。淡谷のり子が『雨のブルース』、上原敏が『親戀道中』、松島詩子が…

ワイントラウブ シンコペーターズ

憲法の意義を完全に無効にする全権委任法の成立によって独裁体制が合法化され、ヴァイマル共和国が無残にも崩壊し、20 世紀の悪夢となった第三帝国が生まれる三年ばかり前のドイツで、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグと新人女優マレーネ・デートリッヒが…

東京オリムピック

やがて敗戦という結果に至る時局により、実際に開催されることはなかったが、「大きなプロパガンダ効果が期待できる」としてアドルフ・ヒトラーが開催した 1936 年のベルリン・オリンピックに続く 1940 年の開催地は、二・二六と阿部定事件が起きた 1936 年…