ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

音楽

1955 年

エルビス・プレスリーがチャートに本格的にランクインするのは、“Heartbreak Hotel” を初めとする 1956 年のことであるが 、その直前の 1955 年のヒット曲を少しだけ見てみる。もちろん、独断と偏見にもとづくものである。Mystery Train (Elvis Presley): Si…

Lenny Dee

オルガン奏者であるレニー・ディーの演奏を聴く。1954: Plantation Boogie:Ref. Boogie Woogie (Tommy Dorsey): 1960: Chicken in the Rough: Tricky: It Had to Be You: In a Shanty in Old Shanty Town: 1961: Twilight Time: 1963: The Happy Organ: 1967…

奥様は芳紀十七才

1954 年のフランク・タシュリン監督の RKO テクニカラー作品で、ディック・パウエル、デビー・レイノルズ、アン・フランシスが出演していて、撮影は Nicholas Musuraca というのに、日本語版の DVD が未だに出ないのは何か事情があるのであろうか? 「芳紀」…

The Mule

バングラデシュから帰る飛行機で『ボヘミアン・ラプソディ』(2018) を見たが、高校時代にこの曲を合唱して歌詞を未だにほとんど覚えていて懐かしかったためである。その曲が納められているアルバムのタイトル “A Night at the Opera” とあの口髭から、当然な…

Embraceable You

1930 年のブロードウェイ・ミュージカル、“Girl Crazy”で Ginger Rogers が歌った。彼女は、このミュージカルへの出演で一夜にしてスターダムを駆け上ったといわれている。作詞は アイラ、作曲はジョージのガーシュイン兄弟によるもの。1930: Red Nichols: 1…

I’m Gonna Knock on Your Door

この Eddie Hodges の 1961 年の曲を聴いていて、不図、これを「訪問型健診サービス」のテーマ曲に使ったらと思いついたのだが、1980 年代にオーストラリアで赤十字が寄付を呼びかける際に使ったことがすでにあるらしい。この前、バングラデシュに行ったばか…

Someone Else’s Boy

Connie Francis の 1961 年の曲だが、8 ヶ国語でレコーディングされている。オランダ語バージョンは、長い間リリースされなかったらしい。英語: 日本語: ドイツ語: フランス語: イタリア語: スペイン語: ポルトガル語: オランダ語: スウェーデン語 (歌ってい…

Love Letters in the Sand

これって パット・ブーンの曲かと思いきや、1931 年にできた歌なんだ! しかも、1881 年の “The Spanish Cavalier” がこの曲のベースになっているというのだから吃驚する。 “The Spanish Cavalier” は、フォード映画でお馴染みの The Sons of the Pioneers が…

That Old Feeling

この曲が挿入歌として使われたアーヴィング・カミングズ監督の『1938 年のヴォーグ』(Walter Wanger’s Vogues of 1938, 1937) は、本編を見たことがなく、下にあるクリップを見たきりである。したがって、周辺的な事実しかわからないのだが、ともかく、マッ…

夢は夜ひらく

ちょっと前の本読んでいたら「昨日マー坊 今日トミー」というフレーズが出てきて、これって『圭子の夢は夜ひらく』の歌詞の一部だってすぐに分かってしまうなあ。『夢は夜ひらく』はもちろん藤圭子のものも好きだけど、園まりと三上寛のものも良い。三上寛の…

Sway

¿Quién será? は、1953 年に作られて、1954 年に Dean Martin が “Sway” として英語の歌詞で歌った。ラテン系の歌手をほとんど知らないので、彼/彼女について掲載が出来ず残念である。ただ、Pedro Infante の 1953 年のクリップはメキシコ映画の黄金期のもの…

Forgive Me

森山良子ではなく、森山加代子の『じんじろげ』の元歌はインド民謡の『ヒラミルパニア』という曲だという説があるが、歌詞の中にベンガルという言葉が出てくるので、ベンガル地方の歌らしい。今度、バングラデシュに行ったら知っているか聞いてみよう。知ら…

Pineapple Princess

まず、昨日の曲 (It’s My Party) には続編の “Judy’s Turn to Cry” (1963) があるので、一応紹介しておく。Judy’s の s は……もう説明はやめておく。 この曲のあるアルバムは、“cry” を主題にしているが、そこから好きな “Just Let Me Cry”. Oh, stars on hig…

It’s My Party

1963 年の Lesley Gore のデビュー曲であり、Quincy Jones の最初のプロデュース曲でもある。 昨日の続きで、“Of course.” の f が通常、/f/ と無声化したり、“have to” や “has to” や “had to” の v や s や d が無声化したりするのは、別に特別な現象では…

Stop! In the Name of Love

1965 年の The Supremes のこの曲は、キャンディーズやピンクレディーですら歌っており、ここであえて取り上げる積極的な理由など、どこにも見出せないのだが、バックのドラムが不気味なまでの機械的反復を刻む中で、ダイアナ・ロスが、そのリズムを超えた等…

Beechwood 4-5789

え、これだけ?という、あっけなさが爽快でもう少し聞いていたい気にさせる 1962 年の The Marvelettes の曲である。1961 年の “Please Mr. Postman” のとき、リードの Gladys Horton はまだ 15 歳だったというから、このときは 16 歳である。Marvin Gaye は…

You Can’t Hurry Love

The Marvelettes の “Please Mr. Postman” を聞いていると、そいういえば、デトロイトのモータウン歴史博物館の前で夕方、記念写真を撮ったことがあることを思い出したが、なぜ、そこに行ったのか、どうも詳細が蘇ってこない。ただ、車の運転手が荒廃してし…

Please Mr. Postman の歌詞

昨日、 “Please Mr. Postman” の歌詞書く暇がなかったので、もう一度掲載する。コーラスの部分は重なっているところがよくわからなかったりして省略した部分もある。“You better” はもちろん、“You’d better” の had が完全に省略されたもの。 (Wait)Oh yes,…

カート・シオドマーク

今日は JR 四ツ谷駅の近くの純喫茶に入ってなかなか良かったけれど、音楽がほとんどビートルズだけなのには参った。“Please Mr. Postman” 流すなら 1961 年の The Marvelettes のものにして欲しかった。それにしても凄い髪型。 前回の記事で『日曜日の人々』…

寛容空間

前回の記事に関連して。 中野忠晴の『小さな喫茶店』の元歌である “In einer kleinen Konditorei” (1929) を今回初めて聞いた。 このクリップには、1930年の映画、『日曜日の人々』(Menschen am Sonntag) の一部が使われていて眩暈のような感覚に襲われた。…

珈琲あるいは喫茶店

タイトルに「コーヒー」または「喫茶店」がつく日本の曲ってやっぱりあまり思いつかない。コーヒーに関しては『コーヒー・ルンバ』、喫茶店に関しては『小さな喫茶店』が決定版だなあ。こうして見ると中野忠晴はやはり偉大だ。また気づいたら、ここに追加し…

Una Sera di Tokyo

この曲、最初は、1963 年に『東京たそがれ』というタイトルでザ・ピーナッツによって唄われリリースされた (作詞:岩谷時子、作曲:宮川泰)。 1964 年 (東京オリンピックの年) に、イタリアからミルバが来日し、この曲のタイトルを『ウナ・セラ・ディ東京』と…

A Nightingale Sang in Berkeley Square

「完璧さ」という厚顔無恥さからはほど遠い、「現在」という束の間の移ろいやすい瞬間に対するその類い稀な才能が、聞くものに本当の贅沢さとはいったい何かを教えてくれるようである。なお、歌詞は、彼女が歌っている通りにおこしたつもりであるが、本来文…

Mugmates

この曲の題名、“Mugmates” の mug は「マグ・カップ」(日本語英語であり、英語では単に mug で良い) のことだけど、この「マグ・カップ」という言葉っていつ頃から使われはじめたのか、ちょっと気になってざっと調べたんだけどよく分からなかった。少なくと…

When Your Lover Has Gone

James Cagney と Joan Blondell が主演し、Roy Del Ruth が監督した映画 『腕の男』 (Blonde Crazy, 1931) の挿入歌として、Einar Aaron Swan によって作られた曲。さすがにプレコード時代真っ只中の映画だけあって Joan Blondell の入浴シーンがある。 下の…

Happy Birthday, Sweet Sixteen

1961 年の Neil Sedaka の曲である。日本語のタイトルは『すてきな16才』であった。林寛子が歌っていた。小泉今日子は『私の16才』だが、この曲もどこかで歌っているらしい。 1961:Neil Sedaka: 1962:弘田三枝子: 長谷部マサアキ: 石田良子: 1973:小山ルミ: …

One Boy

これは、Joanie Sommers の 1960 年のデビュー曲で、もともとはエルヴィス・プレスリーがモデルのミュージカルの挿入歌であった。日本だとキャンディーズや松田聖子も歌っている。松田聖子が歌ったのはちょうど声を潰してしまった時期であり、澤井信一郎監督…

Johnny Get Angry

この歌詞、いまだと内容に問題があるなあとは思うものの、ヒットさせた歌手 Joanie Sommers は「ジョニー・ソマーズ」と日本語では表記され、曲の “Johnny Get Angry” の日本語タイトルは『内気なジョニー』で両方とも「ジョニー」になっている一方で、英語…

Let’s Twist Again

去年のクリスマス前にツイストの動画を見て脳内暴走が始まったので、ほどほどにしておきたいが、Chubby Checker のこのクリップだけは 1 億回以上の視聴がわかってしまう。ツイスト・ダンスは痩せるとか宣伝して 60 年代初頭に流行したこのダンスをもう一度…

Hurt

それほどメジャーとは言えないだろう、イタリア系アメリカ人である女性歌手ティミ・ユーロー (Timi Yuro) の黒人歌手のようにソウルフルな 60 年代初期の曲、『涙が頬をぬらすとき』(1962, What’s a Matter Baby) とか デビュー曲である『涙の想い出』(1961,…