ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

雑記

映像

プラトン以来綿々と続く「オリジナル」が「コピー」に優越すると いう考え方は、20 世紀に入ってジル・ドゥルーズ、ヴァルター・ ベンヤミン、ジャン・ボードリヤール、中井正一などによる考察があったものの、21 世紀に入っても至るところに紋切り型の制度…

Happy Birthday, Sweet Sixteen

1961 年の Neil Sedaka の曲である。日本語のタイトルは『すてきな16才』であった。林寛子が歌っていた。小泉今日子は『私の16才』だが、この曲もどこかで歌っているらしい。 1961: Neil Sedaka: 1962: 弘田三枝子: 長谷部マサアキ: 石田良子: 1973: 小山ル…

Let’s Twist Again

去年のクリスマス前にツイストの動画を見て脳内暴走が始まったので、ほどほどにしておきたいが、Chubby Checker のこのクリップだけは 1 億回以上の視聴が納得できてしまう。ツイスト・ダンスは痩せるとか宣伝して 60 年代初頭に流行したこのダンスをもう一…

Hurt

それほどメジャーとは言えないだろう、イタリア系アメリカ人である女性歌手ティミ・ユーロー (Timi Yuro) の黒人歌手のようにソウルフルな 60 年代初期の曲、『涙が頬をぬらすとき』(1962, What’s a Matter Baby) とか デビュー曲である『涙の想い出』(1961,…

堀内敬三

瀬川昌久さんがよく語るように、前回の記事で出た堀内敬三は、日本のジャズ黎明期において二村定一が歌った『私の青空』『アラビヤの唄』に訳詞を提供したりして、日本におけるジャズの受容に功績がありながら、戦時中は一転して軍国主義に迎合し音楽の大政…

雑感

前回の記事で紹介した女性医師の起業内容(赤ちゃんの寝かしつけ相談) が、「週刊 東洋経済」 の 9 月 8 日号にちょうど掲載されていて、その同じページにはバングラデシュの健診を一緒にやっている若手医師の挑戦記事も掲載されている。記事にはないが、お二…

女子学生比率

東京大学の総長室だよりなるものを読んでいたら次のような記事があった。 パネル討論の終盤で、蓮實先生から、東大生の男女比の偏りが一向に改善されていない、女子学生枠を設けてでも是正すべきというコメントが突然飛び出しました。少々戸惑いましたが、こ…

日本映画、第三の黄金期

濱口監督の『寝ても覚めても』のホームページに蓮實さんが、「濱口監督の新作とともに、日本映画はその第三の黄金期へと孤独に、だが確実に足を踏み入れる。」とコメントしているけれど、本当にそうなんだとバングラデシュで新しい健診サービスのオープン・…

マトリゴールの健診

前回の山口絵理子さんのブログの記事は、健診を行なっているのが、自分がバングラデシュの健診プロジェクトで関係している人たちだということを抜きに大変感心した。バングラデシュでは、日本では当たり前で法令でも義務づけられている工場労働者に対する定…

山口絵里子さんのブログ

マザーハウス社長の山口絵理子さんのブログ。 裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫) 作者: 山口絵理子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/09/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る

Ain’t She Sweet?

これも 1920 年代に作られた曲だが、『彼奴は顔役だ!』(1939) にはさすがに使われていない。1954 年のクリップに、ナット・キング・コールとシャーリー・テンプルとのデュエットと紹介してあるのには笑ったが、もちろん真っ赤な嘘である。しかし、このクリッ…

Stay

1964 年 2 月 1 日にビートルズの ”I Want to Hold Your Hand” が全米ビルボードで一位になった後の一時期をいわゆる “British Invasion” と言うわけだが、もちろん、ビートルズの音楽はアメリカのポピュラー音楽の変化を加速させはしたものの、アメリカのポ…

Crazy He Calls Me

1949 年の Billie Holiday のバラード。 1949: Billie Holiday: 1954: Dinah Washington: 1955: Herb Geller Sextet: Ahmal Jamal Trio: 1956: Ted Brown Sextet: 1957: Lee Konitz: 1958: Chet Baker, Johnny Page: Jeri Southern: 1959: Sam Cooke: 1960: …

Oh! Carol

発売されたばかりの『群像』の8月号に筒井康隆と蓮實重彦の対談「同時代の大江健三郎」を読んでいたら、ニール・セダカの “Oh, Carol” が出てきて、今日は当然これでしょう。1959 年の曲である。 歌詞はつけるまでもないと思うけども載せておく。 Oh! CarolI…

Any Place I Hang My Hat Is Home

/l/ と/r/ ばかりやっていたら、周波数強調がかかりすぎて /l/ を聞くと耳がキンキンするので休憩。Harold Arlen 作曲、Johny Mercer 作詞による1946年のミュージカル “St. Louis Woman” の曲である。Barbara Streisand のものが最も有名だろう。 Free and e…

Mack the Knife

エラ・フィッツジェラルドが 歌詞を忘れて即興で歌っている中に、Bobby Darin の名前も出てくるが、37歳で亡くなったこの歌手による ”Mack the Knife" は、最も有名なこの曲のカバーである。ベルリンで 1928 年に初めて上演されたベルトルト・ブレヒトの『三…

Once Upon a Summer Time

1959 年に Verve から出た Blossom Dearie によるピアノの弾き語りアルバムである。Dearie はこの前にパリで The Blue Stars というヴォーカル・グループを作って活動していたことがあって、そのグループには Michel Legrand の妹さんChristiane Legrand も…

Rosetta (それと “Busy Line”)

これも Legrand Jazz から。Earl Hines が 1933 年に作った曲だが、当時の録音は YouTube では見つけられなかった。Hines による 1934 年の演奏はあるが Teddy Wilson の同年の録音の方が、数カ月ではあるもののより古い。 Count Basie 楽団や The Nat King …

Sunny Skies

蓮實重彦の『監督 小津安二郎』の「晴れること」の中間部分を省略して “Sunny Skies” として英訳されたものが、Cambridge University Press の “Ozu’s Tokyo Story” に収められているので読んでみた。よく訳されているとは思うものの、次の 3 点はさすがに気…

しょんがいな

山中貞雄の『百萬両の壺』で喜代三が唄う『櫛巻お藤の唄』は YouTube にはないので、歌詞だけ載せておこう。作詞は山中貞雄監督と言われている。松阪市には「しょんがい音頭」というのが今でも保存されているようだけど「しょんがいな」というのも多分同じ語…

King Porter Stomp

インターネットが最悪だと思うのは、あたりに流通しているいかにも耳障りのよい言葉やイメージに同調させられてしまうときである。それが最良だと感じるときは、自分にとってはまるで現実感を欠いている時間的、空間的に隔たった潜在的なものが、いまここの…

Stardust

インドから帰国。予約していた『大砂塵』が届いていたが、流石にすぐに見る元気はなし。飛行機の中では『ダンケルク』を見た。ドリス・デイの『スター・ダスト』を聴く。英語のリスニングなんて抽象的な方法をいくら教えるよりも歌を聴けばいいんだという感…

レッド・ニコルズ

フローベルの「愚かさとは、結論せずにはいられない心の動きにもとづくものである」という言葉は、蓮實重彦から教わったが、その個人的応用範囲は最近、ますます拡がってきており、たとえば「賞味期限」を過ぎた食品が一律に処分されているといった事態でさ…

Woody Herman

新聞にまたくだらないことが書いてあると思いながら、若者の最近の消費性向に関する論評を何気なく読んでしまった。美術館にオリジナルの絵を見に行くのは、大量に出回っているコピーでその絵を「知っている」と思いこんでいる人間が、オリジナルもまたコピ…

トニー 谷

原理主義者であることはとうに辞めてしまったので、「破壊的イノベーション」なんてもうどうでもよいのだが、それでも既存の業界を震撼させるイノベーションのことをなんでもかんでも「破壊的イノベーション」と、人智を超えた預言者を気取る輩達が呼ぶ風潮…

定礼

バングラデシュの農村部でのグラミンの活動他を見ていると、自分が一時期住んだことがある福岡県宗像郡で行われていた「定礼」のことに必然的に連想がいく。日本のUHC (Universal Health Coverage) においてユニークだとされる「国民健康保険」の成立の歴史…

黒川泰一『保険政策と産業組合』(1939)

この間、インドのマドゥバニで同じような医療供給体制を見たばかりなので、その先見性に感動。 地勢上、交通上1ブロックをなす地区の中心に、近代医学の粋を集めた完全なる総合病院を設置し、此處に多数の優秀なる人的要素を擁する。かくて之を「基地」とし…

インドから遠く離れて

帰国した。行きに成田空港の書店で搭乗までの時間潰しをしていたら、「藤本隆宏」の名前があったので、もしかして面白いのではという期待で『現場から見上げる企業戦略論』というタイトルのついた新書を買って飛行機の中で読んだ。テレビを見たり、日本の新…

印度の夜

ほんの短い滞在だったけれども、ビハール州の州都パトナーからガンジス川を橋で渡り、仏教生誕の地であり歴史的には日本とはまったく無関係とは言えない地域をネパールの国境に近いマドゥバニまで行ってきた。ビハール州は経済的にはインドで最も「貧しい」…

追記

昨日の "These Foolish Things" の歌詞は、『上海特急』にも出演している Anna May Wong をモデルにして書かれたという記事を読んで吃驚した。 ところで、ジル・ドゥルーズの「何を構造主義として認めるか」にある、 零度なくして構造主義はない。 という極…