最近、飯沢匡(ただす)の文章を読んでいて、「ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ」の作詞 (作曲は服部正) と「ブー・フー・ウー」の作詞 (作曲は小森昭宏) はともに飯沢匡ということにいまさらながら気がついた (“Rule of Three” といってしまえばそれまでだけれ…
自分が高校生だった頃になく, 今はあることで羨ましいと思う数少ない数学の参考書は, 長岡亮介著『総合的研究 論理学で学ぶ数学――思考ツールとしてのロジック』 (2017) であるが, その後書きにこんなことが書いてある.蛇足に過ぎないんだが, 集合を表わすの…
全称命題と存在命題の扱いに慣れるために, 以前解いた問題を見直してみる. ※ 2 つ前の記事 「便利な(?) 論理演算」からの続きである.【問】 は定数とする. つの不等式, を同時に満たす整数 が存在し, かつそれが自然数のみになるとき, の値の範囲を求めよ.【…
読んでいるのに、まるでホークスのスクリューボールの一場面を見ているかのような味わい。自筆の年譜の昭和二十七年 (十六歳) のところに、「(注: ジェラール・フィリップと) 同じエレベーターに、東和商事社長とその令嬢が乗っていて、胸もとに『陽気なドン…
自分だけそう思っているにすぎないかも知れないけれど, 便利だと思っている論理演算について書いてみる. なお, ここでは恒真命題は , 恒偽命題は で表わすことにする.まず, 単項命題 , の書き換えとして,これは, が前提を必要とせず, 成り立つことを示してい…
ここでは, 線型代数の知識を用いることなしに, 直線 が平行となる条件を求めてみる.上の つの方程式が直線を表わす条件は,※ 中括弧 は 「かつ」を意味する.ここで,だから, 次のように場合分けすると, すべての場合を排他的に場合分けできる.※ 縦線 は 「また…
いつの頃からこの種の問題を扱うようになったか知らないが, 数 の不等式のところで, 整数解を何個持つ云々という類いの問題があるのだが, そこに挙げられている解法については唖然とした. こんな風に解かないといけないものなのだろうか. 自分にはとても真似…
前の記事の続き. 今度はグラフを移動しないやり方で, いままでの解法を整理しておく. 下の二つの問題が解ければ, 他の問題もさして難しくないだろう.【問】 次方程式 の異なる実数解のうち, ただ つが, の範囲にあるような定数 の範囲を求めよ.【解】 問題で…
前回の記事で, グラフの移動について書いたので, 前にも解いた 次方程式の解の存在範囲の問題をもっと簡単に (?) 解いてみよう. 数 II では, 数 I のグラフを利用した解法を「解と係数の関係」「判別式」と対応づけてその同値を理解する単元がある.【問】 方…
グラフの移動の話も前に書いたんだが, その後, もう少しマシな説明を思いついたので, 下の図を使ってしてみよう. この図はグラフの平行移動に関して, (それほど熱心ではないが調べた範囲では) 唯一感銘を受けた田島一郎さんによる説明で使用されていたものを…
三角関数の初等的説明で, ときどき気持ち悪いのは, 「それって一般角で本当に成り立つの?」と思ってしまう疑問に答えてくれないことだ. 別に証明が大変というわけではない. たとえば, の場合, 加法定理で証明すればよいではないかと思うかもしれないが, そも…
三角関数の余角や補角の還元公式は上の図のようにグラフから判断するやり方 *1が一番直感的だし, 簡単だし, 早いと思うが, 微分や積分を使っても導ける. この方法だとほぼ瞬間的にわかるものもあるし, 時間がかかるものもある. (複素数で, , , をかけるより…
この記事は, 前にも書いたことがある内容をただ言いかえているだけである.前田隆一の『新算数教育講座』第 3 巻 (1960) については, 最近の記事で紹介したが, 文章題に「観点変更」をもたらす数理的主題のひとつとして前田は「量を分けること」もあげている.…
前の記事の続き. 算数の文章題って, 答えを書くと文章が長くなってしまうんだが, 下のように書くと少しは見通しがよい気がする. 【問】A さんと B さんの所持金の比は 4 : 1 でしたが,2 人とも 600 円のおこづかいをもらって 2 人の所持金の比が 3 : 1 にな…
前の記事からの続きだが, 文章題の話ではないのでタイトルを改めた. 倍概念 (「量」に対する数の倍作用と言うべきものである) を使って分数を説明することもできる. 以下はその概略である.1) 単位分数n は (0 でない) 整数とする. 量 A が量 B の n 倍と同じ…